自己破産とデメリット
債務整理の中でも自己破産は最も徹底した方法であり、基本的にすべての債務を免除してもらうことが可能ですが、しかし反面失うものも非常に多くあります。しかしどのように努力しても到底支払いきれない負債を抱え込んだ場合などには自己破産しない限り、生きて行くこともできなくなるほどの苦境に立たされることを思うと、多少のデメリットは仕方がないこととしてあきらめる他はありません。それよりもせっかく得られた第二の人生のチャンスをムダにすること無く前向きに生きて行ってこそ自己破産などの債務整理の意義があるのだと言えます。
自己破産をした際のデメリットとしては、まずマイホームや土地、別荘などといった不動産はすべて換価(債権者に利益を分配するために売却すること)されることになります。また99万円を越える現金や、基本的に価値が20万円よりも大きくなると思われる株式や生命保険、ゴルフ会員権、貴金属などはすべて失うことになります。
また自己破産した場合でも税金は免除とはなりませんので必ず支払う必要があります。
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また自己破産した場合には官報に記載されることになります。官報とは国が発行する法令公布の機関誌で、国の広報誌および広告紙として機能しています。自己破産した場合にはこの官報に、氏名、住所、破産の手続きをした日時や裁判所名などの記載が残されることになります。経済的ではなく社会的な観点に立った場合にはこのことが最も大きなデメリットとなるかも知れません。官報は一般の人の目に触れるものであるため何かのきっかけで破産者の過去を調べようとする人がいた場合などはこうした情報は漏れてしまうことになります。
自己破産のデメリット、信用を失う
自己破産をした場合最長で10年間に渡って新たなローンを組んだり、新規にクレジットカードの発行をしてもらうことはできません。もちろんそれまでに所有していたクレジットカードもすべて使用不可能となってしまいます。こうしたローンやクレジットカードに対する制限は、自己破産に限ったことではありません。任意整理、個人民事再生、特定調停など債務整理のどの方法を用いてもいわゆる「ブラックリスト」に載ってしまうため、しばらくの期間こうしたことはできなくなります。中でも自己破産以外の場合が3~5年間の制限となっていることを考えると自己破産は債務整理としての効果も大きい分不自由する期間も長くなってしまいます。
こうしたローンやクレジットカードが使用不可となる背景には個人信用情報機関の存在があります。こうした期間では個人の債務整理以外でもクレジットカードの利用状況や、過去の支払いの延滞記録、所有するクレジットカードの枚数などの情報を収集しています。そしてクレジットカード会社などはこうした機関から情報を得ているため、個人信用情報機関から記録が抹殺されない限り新しいローンやクレジットカードの使用ができなくなるのです。
また信用面と言うことでは連帯保証人がいた債務に関してはせっかく保証人となってくれた恩人に対して多大な迷惑をかけることになってしまいます。
また自己破産をした場合には手続が完了するまでの間裁判所の許可無く、住所を変えたり、長期の旅行などに出ることを禁じられます。
自己破産のデメリット、職業上の制限
自己破産を行う課程には破産手続開始決定から免責許可決定までの期間がありますが、この間の数ヶ月間は「公法上および私法上の制限」と呼ばれる制限を受けることがあります。これは特定の職務についている人の場合、この期間中は職務に復帰することができず、資格も制限されると言うものです。
公法上および私法上の制限を受ける主な職業としては、弁護士、司法書士、行政書士、税理士、公認会計士、公証人、不動産鑑定士、弁理士、社会保険労務士、有価証券投資顧問業者、宅地建物取引主任者、公安委員会委員、保険勧誘員、警備業者、質屋、建設業者、風俗業者、後見人、保証人、遺言執行者などかなり多岐に渡っています。
基本的には他人の財産を管理する職業などが多くなっています。また免責許可決定が出た時点でこうした制限は無くなりますが、長い場合には半年程度も廃業することとなりますから債務整理でも他に方法はないのか、あるいは自己破産をいつすべきかなどに関しては充分に時間をかけて熟考する必要があります。
しかし社会的な地位にもかかわらず意外にも制限されない職業もあります。国家公務員や地方公務員、学校教員、医師、看護士、薬剤師、建築士などは、自己破産をしても、公法上および私法上の制限を受けることはありません。
また自己破産した場合で管財事件となった場合には郵便物などは破産管財人の管理を受けることになります。
なお官報に記載されるとともに、自己破産した人の本籍地において破産者名簿にも記載されることになります。


